日大アメフトタックル問題に見るスポーツマンシップとは

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日大アメフトタックル問題、ついにタックルをした学生が記者会見をすることになった。日大の管理責任はどこにいったのか呆れるばかりではあるが、それはおいておいて、

先日、この件に対してテレビなんかでアメフト経験者が、今までさんざんルールにのっとった中ではあるもののおよそスポーツマンシップとは言い難いプレイをしてきておいて、今更スポーツマンシップが問われるとかってきれいごとを言うことに対する違和感について書いた。

日大アメフトタックル問題に対するアメフト経験者コメントの違和感

 

少し話はそれるが、先日、息子の少年野球の簡易的な審判講習を聞く機会があった。アウト、セーフの判定や基本的なポジショニングについて一通りのレクチャーを受けたのだが、数十年審判をやっている講師の方曰く、そんな自分でもルールのうち7割くらいしかわかっていないと。それくらい野球のルールは細かく、量も膨大なそうで。

そんな少年野球審判でよくある誤認が、ピッチャーの牽制球に対するボーク判定らしい。投球時に上げた足が軸足側に入った状態で牽制球を投げたらボークだとか、まっすぐに上げたまま回転するのはOKとか、いろいろと詳細の規定はあるみたいなのだが、もっとも根源的な原則は

ランナーを騙してはいけない

ということのよう。

なので少年野球でよく見かける、キャッチャーを凝視しキャッチャーの方に投げるふりをしながら牽制球を投げるのは、本来はボークらしいのだが、実際はどのチームでも普通にやっているプレーになってしまっているというのが実状らしい。

ちなみに、この前、息子の試合を観戦していたら、これと関連したプレーとして、相手チームのファーストの子が、牽制球を受け取ったあと、ピッチャーにすぐにボールを返球せずにじっと隠し持っているというのをやっていて、

審判に、「君、ボールを早く返しなさい。そんなことをするように指導を受けているのか!?」的な注意を受けていた。

ちなみにそのファーストの子は、その後も、守っている間しきりにこちら側のベンチ(彼からすると相手チームのベンチになる)を気にして、ときおりサインを盗み見るようなことをしていた。

小学生の本人が自発的にこんなことをやってやろうと気づくはずもなく、おそらく大人がこんなことを指導しているのかと思うとなんか寂しい気持ちになった。

 

話を牽制球ボーク問題に戻すと、牽制球を投げる際に騙すのはダメだけど、要は一瞬の隙をつけ、ってことなんだと思う。

騙すのではなく、隙をつく。

じゃあ騙すと隙をつくの違いは何か、と言われると、これはもう内面の問題になってくるのではないだろうか。

外見上は同じようなプレーであっても、そこに相手を騙そうとする邪な意思があったのかどうか。

野球のインフィールドフライにしても、サッカーでわざと倒れてPKをもらうのにしても、古くは野球で当たっていないのにデッドボールを主張するなんて珍プレー好プレーおなじみのプレーにしても、そして昨今流行りのリプレイ検証にしても、

どれだけルールでがんじがらめにしても、結局それをかいくぐったり、逆手にとるようなプレーは出てくるのだから、そこでこそ内面、まさにスポーツマンシップが求められるってことなんじゃないだろうか。

アメフトも相当細かいルールがたくさん存在するし、審判も7人いる。それでも邪な意思を持ったプレーを全てチェックすることはできないし、ましては未然に防ぐことなんてできない。

だからこそ、ルールとか勝負以前に、そのスポーツができるのは、相手チームがあってのことであり、相手も自分も同じスポーツで切磋琢磨する良きライバル=同じスポーツに携わる仲間である、ということをもっと自覚するところから始めなければいけないんだろう。

相撲協会でも、所属部屋が異なる関取同士がつるむのは良くない、とかじゃなくて、もちろん外での関係性を土俵に持ち込むのは論外だが、土俵上で真剣勝負をするためにも、お互いをリスペクトしあう関係性を育むっていう視点で見た方がいいんじゃないかなぁ。

 

ただ、もう少し引いた目で見ると、ルールの網の目をかいくぐるとか、ルールを逆手にとるとかって、実はビジネスの現場で、古いしがらみや慣習を断ち切ったり、それこそ法律の網の目をかいくぐって新しい成功を納めた人を褒めそやすみたいな風潮があることが影響しているんじゃないか。

日本人はルールに縛られすぎて、ある種ルール無用の無法地帯とも呼ぶべきイノベーション領域では海外勢に遅れをとっている的な言説。

まぁ、けどそのあたりは、なんでもかんでも成功すればいいって言うわけでもなく、昨今話題になりつつある、パーパス(存在目的)とかティール組織(進化型組織)とか、SDGs(持続可能な開発目標)がらみのESG(環境・社会・ガバナンス)とかってのにつながっていく問題意識なんだろうけど、それはまたの機会に書きます。

 

日大のアメフト部員、なんて言うんだろう・・・

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