【書評】「企画力」(嶋浩一郎)で、基本が一番大事だけど基本こそ一番難しいことを実感

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発想法とか企画法とか、○○法に代表されるハウツーものの本って一回読んだらOKみたいなことが多くて、再度読み返してもあんまり発見や気づきがないことが多いけど、この本は何回読み直しても発見がある。もうかれこれ4~5回は読み返していると思うけど、それでも発見がある。なぜか。

この本には企画をする上での基本が書かれているからだ。

何事も基本が大事と言われるけど、基本こそが一番難しいとも言われる。

仕事柄、優秀なセールスマンにインタビューすることがあるが、いろいろと実態や工夫のポイント、コツなどを教えてくれた後、彼らが口を揃えて言うのが、「当たり前のことを、当たり前にやっているだけなんですけどね。」だ。

当たり前のことを当たり前にやる、イチローもダルビッシュも大谷翔平も言ってたな。プロフェッショナルとかガイアの夜明けとか、テレビで取り上げられる人たちも、多くの人が言っていることだ。

で、話を「企画力」に戻すと、本書もまさに基本的なことばかりが書かれている。けどそれは基本であるがゆえに実践し続けるのが難しく、ついつい流行りのモノに目移りしてしまい、知らず知らずのうちにおろそかになってしまっているもの。だから、定期的に読み直したくなるんだろうな。いかんいかん、基本に立ち返らねば、という思いが潜在的に働いているのかもしれない。

で、今回読んで改めての気づき。有名だけどGoogleの採用告知ポスターの企画。「自然対数の底eの中から最初に連続する10桁の素数.com」というもの。

本当に採用したいメチャメチャ数学が得意な人のみが採用サイトに到達できる、なんとも合理的な企画。

これと似たので、ノーベル賞を受賞した小柴さんが作った問題に、「もしこの世に摩擦がなければどうなるか?」というのもあった。答えは「白紙」のまま出す。鉛筆と紙との間に摩擦がなければ鉛筆が滑って何も書けない、ということで。

こういう、知的好奇心を刺激され、聞いた人がちょっとほっこりするような、論理的なぞなぞみたいな企画って素晴らしいってことに改めて気づき、勝ってないけど兜の緒をしめなおします。


他にも書評書いています。

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