【書評】挑む力(桑田真澄)に見る、前近代的野球の凄まじさ

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プロ野球見えないファンプレー論(仁志敏久)に続き、元巨人軍桑田の野球本。

桑田といえば、PL高校卒業時、早稲田大学に進学すると言いながら巨人に指名され、巨人入りを熱望していたPLの同級生、清原を横目にひょこひょこと巨人入りした人物。

そのプロセスの不透明な感じといい、顔といい、巨人時代は毛嫌いしていた。

とはいっても、フィールディングセンスや、バッティングセンス、そしてコントロール抜群の投球術は敵ながらあっぱれとしか言いようがなかった。なので、巨人を辞め、メジャーリーグに挑戦するようになってからは、ネガティブな印象も薄まっていた。メジャーあと一歩というときに怪我したときなんかは、最後の夢をつかめ!と応援もしたし、メジャーのマウンドに上りつめたときは、ほんとよかったなぁと心から思った。

そんな桑田の、少年時代から、中学、高校、プロ、メジャー挑戦を経て、早稲田の大学院で勉強したことについて振り返った自伝。

やっぱり当時の野球環境ってすさまじかったんだなという印象を強烈に受ける。

しごき、体罰、水禁止、・・・。噂ではなんとなくイメージしていたけど、本人の体験談として読むと一層生々しいし、よく野球を続けられたなぁと関心もする。

そもそもは戦争時に野球を続けるため、野球=軍教育の一環、という隠れ蓑をかぶるために、軍事鍛錬さながらのことが行われた、ということが発端のようだけど。

そんな環境下でも、桑田も仁志同様に、メチャメチャ頭を使って、自分で考え、試行錯誤を繰り返してきたってことがよく分かる。これは、一流になるためには、いつの時代も普遍的に重要ことなんだろうな。

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