【書評】毎月新聞(佐藤雅彦):つまらない毎日をちょっと面白く生活する視点が盛りだくさん

著者は元広告クリエイターで、今もだと思うけど、慶應大学湘南藤沢キャンパス(SFC)の教授。日常の中の、ちょっと気になることを見つける視点が秀逸。

特に好きなのが、「ブーム断固反対」というコラム。ブームとは何か?を明晰に表現。

 個人が、ある商品を「必要」として買う。あるいは「好き」で買う。これはとても健全な消費の形である。(中略)それに対し、ブームになる消費は大分違ってくる。まわりの人が持っているから、マスコミがものすごく取り上げているから、といった理由が動機づけの多くの比重を占めてくる。(中略)そのとき、個人個人は、その商品の本来の価値よりも、「その商品を手に入れるかどうか」が大きな価値基準となり、人々は手に入れることによってかなりの部分で満足させてしまう。

行列のできるパンケーキ屋も、オシャレな欧風雑貨屋も、iphoneもそうかもな。一発ギャグ芸人もそうかも。ブームとなっているものは、中身が良いから流行っているんじゃなくて、流行っているから流行っているってことなんだよな。それが良いか、悪いかは別問題だけど、自分自身は、中身の分かる人でありたいなぁとは思う。iphoneから格安スマホに替えたし。

もう一つ「情報の力関係」というコラムも面白い。

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          左を見なさい

とあった場合、多くの人は右を見てしまう、というもの。”左を見なさい”という表記よりも、矢印の方が情報の力が強い。

企画書でもよくある。普通、視線は上から下とか、左から右に流れるものなのに、下から積み上げている図とか、右から左に因果関係を引いている図とか。メチャメチャ見にくい。全然読み手の事を考えていない企画書。それだけで、その人のスキルというか、思いやり力、気づき力の無さが分かる。

普段何気なく過ごしていて感じる違和感や、あれ?の兆しをうま~くすくって、分析している良書です。