面白いビジネス用語って結構あるよね。
ってことで今回は「ケツ」「流動的に」「そのあたり」を取り上げたい。
ケツ
締切とか、納期のこと。作業終了を指すこともある。
文例) (ある会議で、パソコンからモニターに映し出されたスケジュール表を見ながら) 「ケツはどこ?」(ちょっと偉い人が聞く) 「ケツはこのあたりです。」(若手がモニター上の締め切りスケジュールを指し示しながら) 「え!そこがケツなの!?」(ちょっと怒り気味に) 「ケツ、もうちょっとなんとかならない?」(さらに怒り気味に) 「いやぁ、ケツは変えられませんね」(若手がビクビクしながら)
ちなみに、これ丁寧語としての「お尻」もある。
文例) 「お尻から考えると、このへんから開始ですかね」(若手がモニター上のキックオフスケジュールを指し示しながら) 「まだお尻が、ちょっと見えませんね。」(付け足し説明として) 「じゃあ、お尻が見えたら連絡してよ。」(ちょっと偉い人が穏やかに)
流動的に
状況、状況に応じて、そのときの最善を考えて変更させていくこと。
本音は、「そんなこと言っても今の段階では分からないんだから、そのときそのときでまた話し合うということで」みたいなニュアンス。
文例) (もしこうなったらどうするの?ああなったらどうする?あんなこと起きるかもしれないよね?といった質問とも指摘とも取れる意見に対して) 「そのあたりは流動的に進めます」(進行役割の人が毅然とした態度で)
これは、
「おっしゃっていることは分かりますが、今の段階ではどうなるか先が見えませんので、そのときそのときでまた話し合うということで進めます」というのを、
「そのあたりは流動的に進めます」でまとめてるってことね。
この背後にあるのは、サラリーマンって、決めるのが嫌なんですよね。
決める=決めた人が責任を取る、ってなっちゃうんで。
極力、個人で責任を取らない。
決めるのは合議制で。誰が決めたのかよくわからないようにしておくのがサラリーマンの処世術ですね。
で、今の文例でも出た
そのあたり
これは、「いろいろ入った指示、指摘をちゃんと考慮します」というニュアンスかな。
これも、何を指しているのかを明確に指し示さないのがポイント。
それまでに出た一つ一つの指示や指摘に丁寧に答えるのは不可能である、とはいえ、いただいた指示、指摘をないがしろにするわけじゃない、ということの折衷のなせるワザである。
で、似た用語として、
「そこらへん」もある
文例) 「ま、そこらへん、うまくやっといてよ」
上司から部下に、「どうやったらいいか具体的な指示は出せないけど、波風立たないように進めてね」というニュアンスを込めた頼み文句として使われることが多い。
そしてこの依頼に対して
「まぁ、そのあたり、うまくやっときますね」と答えられる部下は優秀とされる。