ある昼下がりの定食屋にて。
13時30分頃だろうか。
この時間にランチを食べに来る人は一人客が多い。
一人仕事が伸びてしまって周りと時間が合わなくなったのか、はたまた人とは一緒に食べたくない理由があってわざと時間をずらしているのか、その両方か。
それにしても13時30分を過ぎる時間帯なのに、結構な客入り。
小さな定食屋の8卓ほどの二人がけテーブルがすべて一人客で埋まっている。
ただ全卓埋まっているとはいえ、一人客ばかりだから店内は驚くほど静かだ。
6席ほどのカウンターにも一人おきで先客がいるため、奥の座敷に通されると、一番手前のテーブルには先客がいて、私は2つほどテーブルを挟んだ一番奥に通される。
お気に入りの紅鮭定食に和風サラダの小鉢を注文し、席で待っていると、2つテーブルを挟んだ先客の話声が嫌が応にも耳に入ってくる。
一人客が大半を占める中、どうやら唯一の3人連れのよう。
会話(というか一方的な話し声が聞こえる)
「俺は、効率的に仕事をしている」
「どうやったら、楽ができるか、悪く言えばさぼれるか、を考えている」
「6時までかかる仕事であっても、どうやったら4時に終わるかを考える」
「あとの時間は好きなコトをやる」
「残業すればするほど残業代がもらえるから、残業がなくならない」
・・・
話の端々に、システムが~とか、エンジニアって~みたいな単語が出てくるので、おそらくWEBとかデジタル系の制作会社とかプログラマーとかなのだろう。
働き方について言っていることは間違っていない。というか私も趣旨には賛成のはずだ。
けど、なんか違和感がある。なんかこいつの話には賛成したくない、というか。
なんっか、イラッとする。
周りの二人も同世代くらいだろうけど、話者はおそらく2つくらい先輩なのだろう。周りの二人は、特に話を差し挟むわけでもなく先輩の独壇場が続く。
傍で聞いていて、なんかキッツイ。
ちょっと偉そうに話しているからだろうか。本当は勇ましくもなんともないのに、自己武勇伝に酔っているからだろうか。
向かい合った一人の後輩が先ほどから全く一言も発していないのも、キツさに輪をかける。
もう一人の、多少社交的?な後輩が、無理やり「へ~」「あ~」と気のない相槌を繰り返すばかりで。
お前が、相槌するから、こいつがアホみたいにしゃべるんやんけ~とか思いながら聞くともなしに聞いていた(というか店が静かすぎるのでどうしても聞こえてくる)。
で、聞きながら、なぜかわからないけどだんっだんイライラがつのってきたので、早々に紅鮭定食、和風サラダを食べ終わり、座敷を降り、そいつの前を通るときに顔を拝んでやろうと一目見たら。
あ~~~~、
俺が一番嫌いな顔や!!
なんとも言いようがないけど、どこか世をひねた目で見ている小動物的な目、絶対キスしたくないちょっとひねた口、中途半端な茶髪。なよっとした体。
第一印象最悪のタイプですわ。大学時代に合っていたら、絶対蹴散らしていただろう。
そりゃあ顔を見る前の第ゼロ印象から勝負あったわけや。もらい事故やったわけやね。
顔を見て、妙に納得、スッキリしました。