【マーケティング】モノを買うメカニズムを考える上での大事な視点

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モノを売る(=買ってもらう)ために、多くのマーケッターや企業は、どうやって生活者を買う気にさせるかを考えている。その一環で現状分析の調査をすることも多い。

「なんでそれを買ったのですか?」

定量調査などでは「安かったから」「パッケージが目についたから」「新商品だから」といった回答項目を用意し、その結果を見てやっぱり重要なのは価格だなとか、パッケージだなとかを把握するわけだが、これって浅すぎると思う。

人がモノを買うのってそんなに単純なメカニズムじゃない。もちろん最後の一押しとして「安かった」とか「目立ってた」という要素が効いているのは確かだと思うけど、企業のマーケティングを考える上ではあんまり意味が無いと思う。

なぜか。安いかどうかは小売り側のコントロールが大きいし、目立つかどうかも、置かれる場所(隣に何が並ぶか)によるからだ。それに、「安かったから買った」って、じゃあ安かったら何でも買うのか?新商品だったら何でも買うのか?というと絶対そんなことはない。安くても買わないものもいっぱいあるし、新商品でも買わないものもいっぱいある。

だから、他の安いモノは買わないのに、なんでその商品は買ったのか。そこを追求しないとダメだ。その商品だから買った、という固有の理由を探す必要がある。

こういう考え方は、情報創造の技術(三浦展著 光文社新書)の表現を借りると、”引き金と火薬” 視点で考えるということになる。

引き金と火薬とは何か。本書では以下のような例示がある。

少年Aが父親を殺したという事件が起きたとする。

引き金とはそれを引き起こした直接の原因で、例えば「お前はバカだ」と言われてカッとしたといったことが引き金。

しかし、引き金が引かれる前に火薬はずっとたまっていて、例えば「ずっと親に冷たくされていた」というのが火薬。

で、話をマーケティングに戻すと、まさに買物の現場である小売業では引き金を考えることも大事だと思う。ただ、引き金領域は、多くの企業にとっては小売業任せのアンコントローラブルな領域だし、それ以外にもいろいろな要因が複雑に絡み合い、出たとこ勝負なことも多いため企業がコントロールするのはすごく難しい。

それよりも、多くの企業にとってまず力を入れるべきは火薬の方だ。

どうやったらいいなと思ってもらえるか。競合品と同じような価格帯で同じように並んでいた場合、どのような商品に見えれば選んでもらえるか(火薬としてどういうイメージや価値をためていけばいいのか)。ここにこそ、知恵を絞らなければいけないんだけどなぁ。

最近流行りの費用対効果みたいなことを言い出す人たちって、引き金偏重な気がするんだよなぁ。

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