モノより思い出:日産セレナや子供と一緒にどこ行こう:ステップワゴンCMもいいけど

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子連れの家族がアウトドアにでかけて、めいっぱい遊ぶ。帰りの車で幸せそうに寝る子供。ラストカットに「モノより思い出」。日産セレナのCM。

ビートルズのオブラディオブラダの音楽に合わせて、絵本の世界観の中をワンボックスが動き回る。「こどもといっしょにどこいこう」。ホンダステップワゴンのCM。

どちらのCMもすごく印象に残っているし、なんかいいCMだなぁと感じたのを覚えている。いや、今見てもほのぼのした良いCMだと思う。

ターゲットは30代のお父さん。結婚して子供ができて。昔の団塊世代みたいに、社畜と呼ばれるほど仕事をバリバリこなすわけでもなく、休日はしっかりと休みをとって子供と触れ合う。今で言うイクメンパパ。

エンジンとか足回りとかドライビングフィーリングとか、これまでの男の車選びの文脈とは一線を画し、男のためのモノとしての車ではなく、父親視点で車のある幸せな家族生活を描く、というのが新しかったんだと思う。どちらのCMもターゲットに共感され、実際に車も売れた。

広告って商品のいいところを描いたり、人とモノとの新しい関係性を呈示するものだから、これらの広告はそういう意味では良いと思うんだけど、何か違和感を感じるんだよな。

モノより思い出、って言うくらいなのだから、セレナは他のワンボックスカーよりも何か特別思い出が残るような機能があるのか?こどもといっしょにどこいこう、って言うくらいなのだから、ステップワゴンには何かおでかけサポートナビみたいな機能はあるのか?と言われると別にそんな機能は無い。トヨタのワンボックスカー(ノアとかかな)とモノは大して変わらない。

結局、モノとしては差別化できないから、広告表現として世界観を差別化して描くわけだけども、それって表面的なお化粧のような気もするんだよなぁ。

セレナの開発者にはセレナならではの開発のこだわりがあるはずで、それを取り上げないとダメだと思うし、そのこだわりが”モノより思い出”を残すためにはこういう機能が必要だ、みたいなこだわりだと素晴らしいんだけどな。

もっと言えば、「モノより思い出」というコンセプトありきで、商品づくりをしなければいけないのではないかと思う。当時はまだインターネットが普及していなかったけども、今の時代だと、普通のワンボックスカーが「モノより思い出」とかって言っても、ヤフー知恵袋とかで「モノより思い出って言ってますけど、何か特別な機能あるんですか?」「いや、何も無し。ただの広告トーク。」とかって書かれて終わってしまいそう。

広告活動も、モノの良いところを探すだけではなくて、そもそものモノ作りをリードするコンセプト開発こそが重要になるってことだと思う。

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