安いものは欲しくない、安くなったものが欲しい。に見る定価戦略

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「安いものは欲しくない、安くなったものが欲しい。」みたいな広告コピーをどこかで見て、確かになぁと感心したことがある。

この背景には、「高いもの=良いもの」というのがあって、高いものが安くなる=良いものが安くなる、ということと捉えられている。

定価が1枚1000円のTシャツを買うよりも、定価が2000円のTシャツが半額に値引きされて1000円で売られているのを買う方が、なんか良いものを買った感じがする。
セールの値札が貼られている商品のセール値札をはがして、わざわざ定価を確認したくなるのも同じ心理。
例えば、定価3万円のモノを1万円で買ったとして、
友達から、「それいいね、いくらしたの?」と聞かれたら「定価3万円のが1万円!」と、わざわざ”定価3万円のが”と説明するのとも同じ心理。
「それいいね、いくらしたの?」「1万円」だけだと、安物を買ったと思われてしまうのではないか、という”定価=モノの価値信仰”がそこにはある。

この心理をうまくついているのがファストファッションのGAP。GAPってファストファッションの割には、ユニクロ、H&M、forever21とかと比べて定価が高い。ただ、大体週末は何%OFFというセールをやっているから、実質価格は変わらないけど、定価が高い分、何かGAPの方がモノが良い感じがする。

多分、定価で売る気が無いんだと思うけど、あえて定価を高く設定することでうまく品質感をコントロールをしている。

話は少しずれるけど、マーケティング関連の仕事をしていると、少子化による市場縮小を補うために、また比較的裕福なシニア層を狙うために、これからは高付加価値商品だとかプレミアム商品だ、という掛け声をよく耳にする。けど、大体は、作り方、素材にちょっとこだわって、デザインをかっこよくしました、みたいなものばかり。当然、定価も高めに設定される。

今ある商品が、体に悪い素材を使っていたり、粗雑な作り方をされているなら、作り方、素材にこだわったプレミアム商品です、というのは分かるけど、今ある商品もすでにそこそこのレベルというか、十分満足できるレベルだったら、更にちょっと、素材や作り方にこだわったプレミアムです、って言われてもなぁとも思うけど。

目に見える機能だと、左脳的に要る要らないが明確に判断されるけど、ちょっとこだわりましたみたいなことだと、右脳的に、あ、いいかも、を作りやすいから、高めの定価設定しやすいってことなんだろうな。

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