チキンレースから降りたヤマトの宅配総量抑制と働き方改革

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かねてより、アマゾンや楽天などのネット通販による宅配荷物の爆発的増加と、労働力不足(特に運送トラックドライバー不足)、

更には、2時間ごとの配達時間を設定しておきながら不在で何度も再配達させたり、即日配達を求める消費者のわがまま、が相まって、

もう無理っす!と声を上げていたクロネコヤマトが宅配物の総量を抑制することになったよう。

一番の問題は、消費者のわがままに応えすぎたことだと思うけど、こういうのって他社が応えているならうちも無理してでも応えなきゃ、というチキンレースになりがち。

(ちなみにチキンレースとは、別々の車に乗って互いの車に向かって一直線に走行するレース(崖に向かって並行して突き進むバージョンもある)で、どちらがギリギリまでハンドルを切らずにぶつかる恐怖に耐えられるかを競うもの(崖に並行して向かう場合は、どこまでブレーキを踏まずに飛び落ちる恐怖に耐えられるかを競う)。)

(さらになぜチキンなのかと言うと、びびったときに肌が鳥肌になることが所以らしい)

時給を下げて低価格で提供しようとか、ギリっギリのシフトを組んで人件費を押さえて低価格で提供しようとか、他社がやっているからこっちも負けられない的な。

経営者や株主は、コストカットであげた利益も、価値を高めてあげた利益も同じ利益と捉え、価値を高めて利益を上げるのは難しいから、すぐ取り組めるコストカットに目が行きがち。

けどコストカットで利益を上げる企業って、従業員からしたら何の魅力もない。働き方改革も何もあったものじゃない。

昨今、働き方改革がメディアをにぎわすけれど、もちろん、過労死なんて絶対にあってはいけないけど、

コストカットではなく価値を高めて利益を上げた結果、働き方改革が実現するのであって、働き方改革単独で取り組むのって不可能というかあまりにも非現実的だと思う。

コストカットで利益を上げることしか考えてこなかった企業が、働き方改革で残業規制なんかしたらガタガタになるだけ。

だから、働き方改革に取り組むためには、早急に、どうやって価値を高めて利益を上げるのか、に取り組まなければならない。

価値を高めて利益を上げるからこそ、従業員を増やせ、一人あたりの労働時間を減らせる。

価格を下げるのではなく、お客から、これならお金を払ってもいいと思われるべく、どのような価値を作るのか、その方針、ビジョン作りこそが必要となる。

ビジョンというと、「お客さまから選ばれる会社」とか「お客様から満足いただける会社」とか「信頼される会社」とかとかってことを平気で掲げる会社が多くあって、

そういう会社に限って、「ビジョンは掲げているけど現場がその通りに動かない」「ビジョンを浸透させたい」なんてことを言い出したりするけど、

現場が動かないのは、そのために何をしたらいいのか?が分からないからだ。

経営層がそれに気づかずに、ビジョンは掲げているけど・・・て言っているのって、

「お客さまから選ばれるために、がんばれーっ!がんばれーっ!がんばれーーっ!」と叫んでいるアニマル浜口状態だ。

そもそもお客から満足されるとか、選ばれるとか、信頼されるとかっていうのは全て結果でしかないし、ゴール像として誰も反対できない当たり前すぎるほど当たり前のこと。「よし!そこに向かって頑張ろう」なんて心動かされるはずもない。

ビジョンに必要なのは、

理想の結果をどう実現するのか。最後のゴールに行き着くためのルートだ。

 

優れたビジョンとは、

「お客から、これならお金を払ってもいいと思われるべく、どのような価値を作るのかを明確に指し示すもの」であるはずで、

それを見聞きすれば、現場は、自分達が何を考えればいいのか、何をすればいいのかが見えてくるものであるはずだ。

「ビジョンが浸透しない」のは、ビジョンがただの当たり前のゴール像でしかないからであって、ビジョンを定義しなおすところから始めなければいけない。

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