
相手が何を考えているのか、何を求めているのか簡単にわかったらいいなと誰もが一度は考えたことがあると思います。
日本では、「空気を読む」ということが当たり前にできていないと苦労する場面が多々ありますが、なかなか難しい時もありますよね?
超能力者でもない限り、相手の気持ちを全て汲み取るというのは難しいですが、ポイントを押さえて相手を観察すると、おおよその感情を推察できるようになります。
ここでは空気感を感じとる時に、目安になる一般的な表情や仕草などを紹介していきます。
最初は1つ1つ思い出しながら相手の感情のサインを見ていくので、時間がかかったり、読み間違ってしまうこともありますが、
ポイントを意識して観察していくごとに、スムーズかつ正確に空気を読むことが可能になってくるので、積極的に相手の気持ちを見極めていきましょう!
顔で見るポイント

人を観察する上で、最も感情がわかりやすいのは、やはり顔です。
顔に出にくいタイプもいますが、
よく見ると感情によって微妙に表情が変わる、
なんてこともありますのでポイントを押さえて普段からよく観察してみてくださいね!
目の動き
目は口ほどに物を言うという言葉があるように、無意識のうちに目に感情が乗っていることは特に多いです。
目を見ればなんとなく感情がわかるという人もいますが、
その人達が指標にしているものは、おそらく今までの経験則によるものでしょう。
しかし、今まで人の目を見るのが苦手だったり、
顔は見ていても、目にスポットを当てて注意深く見ていなかったり
した人には経験による一般化が基本的にできておらず、表情を読み取るのが苦手になっている人も多いです。
できれば色んな人を観察して、感情と目の表情を自分なりに合致させていく工程を踏んでいってほしいのですが、
その上で、目とひとことに言っても見てほしいポイントがあります。
・視線の向かう先
・瞳孔の開き具合
・目元まわり
大まかに見るべきはこの3つですが、それぞれのポイントで何がわかるのか、
私が個人的に見ている順に詳しく解説していきます。
- 視線を追う
まずは、視線がどこに向かっているのかを探ります。
人の視線の先には、1番頭の中を占めていることのヒントがあったりします。
例えば
「自分と話してるのにスマホばかり見ている」
→会話もしくは、対話相手に興味がなく、スマホで好きなことをしていたい「会議中なのに、資料を見ないで窓の外を眺めている」
→会議に集中しておらず、早く帰りたい(窓の外=家)など、状況によって変わってくる部分もありますが、
このように視線というのは
現状において興味があるかないかだけでも、わかりやすい材料になると思います。
- 瞳孔の開き具合を見る
次に視線がこちらに向いていて話は聞いていてくれているようでも、
体裁のために一応聞いてくれているのか、本当に興味を持って聞いてくれているのかを探ります。
好きなものを見ている時に瞳孔は開くという性質があります。
これを利用して、相手が見ているものがプラス感情かどうかを見定めます。
- 目の周辺を全体的に捉える
ここで全体的というのは、目の輪郭から目の周りの表情筋、眉までセットにした部分のことを表しています。
目が笑っているのか、怒っているのか、興味ありそうなのか、つまらなそうなのか、上記2つのポイントよりも細かい表情を目元まわり読み取っていきます。
一見すると、3つのポイントの中で感情が1番わかりやすそうですが、実は読み間違えるほとんどの原因がここのポイントです。
表情を自分の意思で動かせるので、表向きの感情で本心を誤魔化すのが上手な人が相手の場合、表面上に騙されて手のひらの上で転がされてしまいます。
日本では特に関係に波風立てたくないがゆえに、本心を隠す人が多い傾向にあるので、
この項目だけでの判断は誤認につながる可能性が高く、基本的に瞳孔や視線など、瞳(黒目)で得られる情報と併せて判断する必要があります。
また、目の輪郭より外側と、瞳の感情が違う場合、優先的に考慮するべきは、瞳の感情の方です。
そのくらい情報の重要度は他の2つの着目点に比べて低く、やや難易度も高いので、
ポイント1、2が自然とできるようになってから、目元まわりの細かい表情の読み取り練習を始めるのが良いと思います。
私が一番最後に目全体の表情を見ているのは、この情報だけでは相手の感情を正しく把握できる確率が低いからです。
意識的に隠せる反応を見て、曖昧なまま他の項目をチェックするよりも、
無意識のうちに出てしまう反応を見て確信を持った上で、より細かい感情の機微を読み取っていった方がスムーズなので、注目ポイントを順番通りに確認していくのがおすすめです。
相手の感情を見抜く上で、目を見ることは本当に基礎中の基礎ですので、
目を見るのが苦手な人、目が合うことに恐怖心がある人でも
実際に表情を読み取るのが必要になる場面は対面が基本なので
真正面を避ける、少しの時間だけから始める、など自分に無理のない範囲内で、人の目を見る練習をしておきましょう。
どうしても難しい場合には、まずは画面越し、例えばテレビやYouTubeなどで意識的に目から表情を読み取る練習をするのも有効ですよ!
口まわりの動き
口まわりの表情筋も意識的に動かせる部位なので、目の情報に加えて補助的に観察していきます。
・無意識下の反応
・表情の引き際
- 無意識下の反応を見る
単純に笑っている、不服そう、などのわかりやすい反応よりも、
口元が強張ってる、食いしばりがあるなどの無意識下の反応がないかを探ります。
強張りや食いしばりなどの反応は、主に緊張(ストレス)の有無を測る指標になります。
その緊張がどんな感情由来なのかは、状況や関係性に応じて考えなければならないところですが、
緊張の有無は、相手の心理状態を探る上でかなり重要な情報になるので、ぜひよく見て欲しいポイントの一つです。
ただ、これらの反応はハッキリした動きの大きなものではなく、微妙な動きの変化を捉えなければならないものなので、普段の落ち着いている状態の表情を理解しておくことが重要です。
何事もそうですが、いきなり必要になった場面で、今までしてこなかったことをすぐ実践してみることは難しいので、日常的に人の顔を観察する癖をつけておきましょう。
- 表情の余韻の長さを見る
表情には、余韻のある表情と余韻のない表情があります。
簡単に想像してみてほしいのですが、
涙が出るほど大笑いしている人が真顔に戻るまでの時間と、
作り笑顔の人が真顔に戻る時間は、
どちらが長いと思いますか?
ほとんどの方が、大笑いしていた人の方が真顔に戻る時間が長い、と考えたのではないでしょうか。
表情の大きさによる速度差だと思う方は、大笑いしている人ではなく、心の底から微笑ましく思っている人の表情を想像してみてください。
より本心に近い表情の方が、真顔に戻る際の余韻が長いのがわかると思います。
この余韻の長さが長ければ、その表情を素直に受け取って大丈夫、
短ければ、表面上の反応ということになります。
本心からの表情と取り繕った表情とでは、かなりの差があることがほとんどなので、比較的わかりやすい判断基準になると思います。
私は、口まわりで見るポイント4、5は、必ずしも順番通りに見ているわけではなく、特に5は相手の反応のタイミングを見測らなければならないので、その場に応じて順序を変えて観察しています。
目からの情報よりも、受け取れる情報が少なくはなってきますが、
最初から目を見るのはやはり難易度が高く感じる方には、目が合わなくて済む口周りの情報収集から始めてみるのもおすすめです。
仕草などで見るポイント

顔だけでなく、仕草にも深層心理は表れます。
顔からの情報と被る部分も多々ありますが、情報に矛盾がないか補足的に確認することで、確信度を高めることができます。
個人的には、仕草はおまけとして見ることが多いのですが、
顔を合わせない分、プレッシャーを感じずに、相手の心理状態の確認ができるのも利点なので、ぜひこちらもチェックしてくださいね!
体の向き
体の向きからわかる情報は、上記で説明した視線からの情報と同じで、自分や話の内容に関心があるかどうかです。
具体的に見るべきポイントは、
・おへそ
・つま先
の向きです。
- おへその向き
おへその向きを確認します。
後述しますが、立ち位置によっては完全に興味のある方向へ向かないこともあります。
そのように体を捻っている時は、ポイント1で記述したように、視線を追って集中している対象を見つけてください。
- つま先の向き
つま先の向きを確認します。
足は癖が出やすい部位なので、特に、座る時の癖を普段から知っておく必要があります。
また、両足が同じ方向を向いていれば問題ないのですが、違う方向を向いていることもよくあります。
そのような時は、重心がどこにあるかに注目します。
例としては、片足荷重の場合、重心の乗った足の向きを参考にします。
両足の向きが異なり、真ん中重心の場合は、つま先からの情報を除外して、おへそか、視線から興味対象を探ります。
どちらも障害物に遮られると確認しづらかったり、癖や体勢の問題により、視線とは矛盾した内容の情報になってしまったり、判断が難しい部分も出てくると思います。
ですので、
・足癖や座る時の癖がないか(癖からの情報は除外して心理状態を分析する)
・相手の位置や状況下での、可動部位(おへそorつま先)を考える
これらを踏まえて情報を精査する必要があります。
ただやはり基本的には、おへそやつま先よりも優先信頼度が高いのは視線です。
自分におへそ、つま先が向いていると思っても、線上に他のものがある可能性もあり、
その手前のスマホだったり、背後の窓の外だったりを見ているかもしれません。
勘違いを防ぐためにも、最終確認で視線もチェックするのがおすすめですが、
例外もあり、相手が心理状態を隠したい意思がある時には、視線よりもおへそやつま先の方が優先信頼度が高くなります。
嘘をつくために頭の中で色々考えていたり、心理状態を悟られたくないがために表情を取り繕って演技していたりすると、
意外と、おへそやつま先は無意識になりがちなので、しどろもどろな人や、取り繕っている感がある人に対しては視線よりも体の向きを確認してみましょう。
手の動き
無意識に動かしている手の動きを確認していきます。
一つ上の、体の向きの章で紹介したように、表面を取り繕っている状況下で、人は意外と細部の演技を疎かにしがちです。
・手をどこに置いているか
・動き
・手を開いているか
などのポイントを見ていきますが、
手は特に日常的によく動かす部位なので、周囲の状況に左右されやすく、
盲目的に心理状態を探ろうとしてしまうと誤解が生じてしまいやすいので注意が必要です。
- 手をどこに置いているか
机の下やポケットなど、手が見にくい位置にある場合は緊張状態にある場合が多いです。
かといって、手が見えているから緊張状態ではないのかというと、そうではないことも多いので注意してください。
特にフォーマルな場では、手の位置がマナーとして指定されているので、口周りで見るポイント4で記述した、食いしばりや強張りを見るのをおすすめします。
- 無駄な動きの有無を確認
こちらも緊張を確認する指標になります。
意味もなく髪を触ったり、落ち着きなくスマホを持ったり置いたり、など
無駄な動きが多い場合には、何かしらの理由で緊張(ストレス)を感じている可能性が高いです。
- 手を開いているか
心の開閉状態と一致することが多々あります。
手を開いている場合は、開放的で話を受け入れやすい状態で、
手を握りしめている場合は、閉塞的で内側に閉じこもっている状態
になっていることが多いです。
特に軽く手のひらを見える状態ならば、かなり心を開いてくれている可能性が高く、
力強く握り拳を作っている場合は、どんな感情であるにしろ、思考が内側(本人の考え)に向いていて、残念ながら、なかなか話を聞き入れてもらえない可能性が高いです。
ポイント8、9は緊張状態の有無を補助的に確認し、
ポイント10を説得や、お願いをする時のタイミングの見計らいに使うのが有効的だと思います。
最後に

社会ではある程度「空気を読むこと」を求められますが、人と人との関わり合いの中では、あまり知られたくない、隠しておきたい感情が誰にでもあります。
深層心理を読み取ると、相手の言動の予測がつきやすくなり、自分に求められる返答、行動などでそつがないという評価を得やすくなる一方、
あまりにも二歩先、三歩先を行くような言動ばかりしていると、
「いつも見透かされている」
「怖い」
という印象を持たれてしまわれかねません。
時には気づいても気づかないフリをしたり、さりげなく流したりすることも「空気を読む」上で必要な能力になってきます。
このへんのバランスを後日、「相手との距離感」というテーマで解説していく予定なので、ぜひまたチェックしてみてください!
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